Yasuo got the SSSJ review prize!

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吉田准教授、土師将裕(現在、米国テンプル大学博士研究員)、長谷川幸雄教授が、日本表面真空学会の第15回(平成30年度)会誌賞を受賞しました。この賞は、過去2年間に学会誌「表面科学」(2018年からは「表面と真空」)に掲載された解説記事で、学会員の啓蒙に大きく貢献したと認められるものに贈られるものです。2018年度日本表面真空学会学術講演会期間中の11月20日に贈呈式が行われ、併せて21日には、吉田准教授による受賞記念講演が行なわれました。受賞対象となった論文は、「スピン分解走査トンネル顕微鏡による表面磁性の研究」「表面科学」Vol.38-10,508-513(2017)です。吉田准教授が物性研にて開発したスピン分解走査トンネル顕微鏡(SP-STM)は、物質最表面の原子配列や凹凸、電子状態を観測する走査トンネル顕微鏡(STM)に加え、表面の磁気的性質をSTM同等の高分解能で観測することができます。本論文では、同手法の原理や、吉田准教授が同手法を用いて物性研で成し遂げた研究成果、さらには同手法確立のための指針などをまとめたものです。吉田准教授は開発したSP-STMを用いて、当時大学院生であった土師氏とともに、タングステン基板上のマンガン薄膜に形成されるコニカルスピン構造に関する研究を行い、個々のスピンの向きを実空間観察することでカイラリティの存在を示し、その構造が界面でのジャロシンスキー・守谷相互作用に由来することを実証するなどの成果を挙げています。スピン分解走査トンネル顕微鏡の実現によって、実空間で原子分解能でのスピン構造を直接観察することを可能にした意義は大きく、STMによる物質科学の可能性を大きく広げたことが評価されました。

Yasuo, Dr. Haze, now a postdoctoral fellow at Temple Univesity, and Prof. Hasegawa at ISSP, University of Tokyo received a Surface Science Society of Japan Review Prize in 2018. This prize is given to the best review paper published in HYOUMENKAGAKU last two years. The prize ceremony was held at the annual conference of the Japan Society of Vacuum and Surface Science on November 20th, 2018. On the next day, Yasuo gave a prize seminar. The paper prized is titled “Surface magnetism investigated with spin-resolved scanning tunneling microscopy”, HYOUMENKAGAKU Vol.38-10,508-513(2017). Spin-polarized STM (SP-STM) measurement which Yasuo established at ISSP, University of Tokyo enables to investigate magnetic properties with high spatial resolution in addition to surface topography and electronic structure with normal STM operations. In the paper, Yasuo and his colleagues described not only their research achievements at ISSP but also precious tips about how to establish SP-STM in your laboratory.

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